■項羽ターンX レビュー 項羽ターンXの通常レビューページ。 |
虞姫ガンダム レビュー 虞姫ガンダムの通常レビューページ。 |
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項羽ターンX、劉邦ガンダム、自作の虞姫ガンダムを使用した フォトストーリーです! 物語は史実などの『項羽と劉邦』を元にアレンジしています。 ホビージャパン、ゲームの説明書に載った 公式ストーリーのコミックワールドとも内容が異なる部分があります。 パラレルワールド的にとらえていただければよいかと。 設定も『虞美神刀』を『覇王刀』と名前を変えたりしています。 この辺は物語の中で意図が分かります。 ではでは楽しんでもらえれば嬉しいです(^^)/ |
多くの英雄たちが己の魂を燃やして駆け抜けた三国の時代・・・ その時代より約四百年前の三璃紗の物語。 |
楚の覇王 項羽、漢王 劉邦。 秦王朝滅亡後の覇権を巡り二人の侠は長きに渡る争いを繰り広げていた。 その巨大なる力と兵力を持って優勢に戦いを進めていた項羽であったが、 他を省みない戦術に楚軍の兵士たちも劉邦に降伏し始めた。 やがて漢軍に圧されはじめ 劣勢となった項羽は長江のほとりに追い詰められることとなる。 |
劉邦は兵に命じ、楚の国の歌を歌わせた。 四面を楚の歌に囲まれた項羽は自身の破滅を悟る。 追い詰められた項羽は最愛の妻、虞姫に歌う。 力は山を抜き、気は世を覆う 時 利あらずして 如何せん 虞姫や虞美人や 汝を如何せん その歌を聞いた虞姫は己の命尽きるまで項羽とその身を共にすることを決意する。 虞姫 「項羽様・・・わらわの身は最期の時まであなたと共に」 項羽は差し出された虞姫のその手を取った。 |
虞姫は項羽の歌に応え舞う。 その美しき舞を見て項羽もまた決意する。 しかしその決意は虞姫の決意とは異なるものだった。 |
項羽 「俺は劉邦との決着を付けなければならない。 おまえはここに残れ。そして漢軍に降伏しろ」 項羽の決断はこの場での別れであった・・・。 このまま戦えば共に命を失うことは確実。 たとえ他国に落ち延びることになろうと、 愛する虞姫には生き延びて欲しいと項羽は願ったのだ。 虞姫 「わらわはあなたと命を共にする覚悟でございます。 たとえここで共に命尽きようと虞姫は・・・!!」 項羽 「だめだ・・・」 項羽は虞姫の言葉を制し背を向け独り劉邦の元へと歩み始めた。 |
虞姫は去り行く項羽に駆け寄り、剣に手をかける。 項羽 「虞姫?何をする!?」 項羽は虞姫に問いかけたが、 すでに虞姫の手には覇王刀が握られていた。 |
虞姫は覇王刀を自らに向けその想いを語る。 虞姫 「わらわがその身を共にするのは項羽様、あなた様のみ!! 共に行けぬと言うのならわらわはここで!!」 項羽 「何をする!?やめろっ!!虞姫!!」 項羽は虞姫を止めようと手を伸ばすが、時既に遅し。 |
虞姫は覇王刀を持つ手に力を込め、己の体に刃を付きたてた・・・。 刃が虞姫の体を貫く。 鮮血の赤い血が流れ虞姫の体はその場に崩れゆく。 |
項羽は倒れ行く虞姫の体を抱きとめた。 項羽 「虞姫・・・なんということを・・・!!」 項羽は目の前で起こったことが信じられなかった・・・。 いや、信じられないのではない、認めたくなかったのだ。 ついてくるなと言えば虞姫がこのような決断をするであろうことは 分かっていたのではないのか? 虞姫は自分を抱きとめる項羽のぬくもりを感じながら 薄れ行く意識の中で項羽に告げる。 虞姫 「・・・たとえ死すとも、わらわの魂はあなたと共にあり・・・。 ・・・虞姫は幸せでした・・・愛しき・・・項羽様・・・」 そう言い残すと項羽の腕の中で虞姫の命の灯火は静かに消え行く。 項羽は後悔した・・・。 たとえ共に滅びようとも最期の時までその身を共にすればよかった。 項羽は憤った・・・。 虞姫の決意を受け止められなかった自身の弱さに。 項羽 「虞姫よすまない・・・ 己の弱さゆえにおまえの気持ちを裏切った・・・。 そなたの魂は我と共にあり、我の魂はそなたと共にあり。 最期の瞬間までこの魂を燃やして共に戦おうぞ!!」 |
ふと見上げるとそこには劉邦の姿があった。 劉邦 「もはやこれまで!降伏しろ項羽。 楚の兵たちは全て降伏した。残るはおまえただ独り!!」 気がつけば辺りは炎で囲まれていた。 退路などどこにもありはしない。 しかし項羽は元より逃げるつもりなどなかった。 もう失うものなど何もない・・・。 己の魂が語りかけるのは、 待ちわびた劉邦との決着だった。 その魂は生死を分ける戦いでこそ燃え上がる。 今こそ劉邦との長きに渡る戦いの決着の時! |
項羽 「・・・劉邦よ、俺は独りではない。」 項羽は虞姫の体を貫く覇王刀を引き抜いた。 項羽 「今よりこの刀は虞美神刀と名づけよう。共に行こう虞姫・・・」 項羽は虞美神刀を手に劉邦を見据えた。 |
先手をうったのは項羽。 虞美神刀と獄騅剣を手に劉邦に切りかかった。 十字に交差される項羽の剣撃。 劉邦は真龍帝剣でその剣撃を受け止める。 |
再び間合いを取る二人。 劉邦は項羽に問いかける。 劉邦 「あくまで戦いの中で散ることを望むか項羽!!」 項羽 「われらの決着は戦いによってのみ決する。 今こそ長きに渡る戦いの決着を付けるぞ劉邦よ!!」 劉邦 「いいだろう!最後の勝負だ覇王項羽!!」 |
再び交える魂と魂。 項羽と劉邦互いに一歩も引かず。 力量は互角。互いに譲らぬ勝負。 その戦いは数時間に及んだ末、 二人は次が最後の一撃になると理解する。 項羽 「次が最後の一撃だ劉邦よ」 劉邦 「来い項羽!この時代が・・・」 項羽・劉邦 「どちらを勝者として選ぶのか!!」 |
項羽は右手の覇鉄甲にその全闘気を集中させる。 項羽 「我が名は項羽!楚の覇王項羽なりィィィッ!! くらえ我が魂の全てを!!拳覇爆砕ィィィィッ!!!!」 |
劉邦は真龍帝剣に全ての気を集中させて構える。 劉邦 「その魂しかと見届けよう項羽!! 燃え上がれ赤龍よ!!昇龍ゥゥゥ斬ッ!!!!」 |
項羽と劉邦。 互いの最後の技がぶつかり合う。 |
両者、最早立っているのもやっとのことであった。 項羽と劉邦、この時代が選んだ勝者は果たして!? |
項羽は崩れ行く体を奮い立たせ不適に笑う。 項羽 「ふははははははっ!劉邦よ見事なり!! しかしこの覇王の魂は永遠に不滅なり!! いつか必ず、俺の魂は蘇る! 忘れるなよ、龍帝を継ぐ者よ!そして三璃紗の大地よ! 我が名は項羽!楚の覇王なりィィィッ!!」 |
項羽はそう言い残すと遂にその大地へと崩れ落ちた。 こうして激しくぶつかり合った侠達の魂をかけた戦いは幕を下ろした。 時代が選んだ勝者は龍帝を継ぐ者、漢王劉邦であった。 劉邦 「覚えておこう楚の覇王項羽よ。 いつかまたその魂を燃やして戦おう。」 |
劉邦 「さらばだ項羽・・・今はこの三璃紗の地で安らかに眠れ。」 劉邦は項羽と虞姫の亡骸を弔うと三璃紗の未来へと歩みだす。 |
翌年の夏、項羽と虞姫を葬った墓から赤く美しい一輪の雛芥子が咲いたと言う。 虞美人が倒れた場所に咲いたその花は、 後に虞美人草と呼ばれることなったそうな・・・。 |
やがて四百年の後、三国の乱世の世に項羽の魂は蘇り、 新たなる龍帝を継ぐ者劉備と相見えることとなる。 しかしそれはまた別の物語・・・。来るべき時が来れば紡がれる物語なり。 終 |